軽貨物車の入手方、検討の参考に
軽貨物用の車っていっても色々な種類があるよねー、どう選ぼう?
軽貨物事業は自営業のなかでも、届け出さえすれば開業でき即収入を得る事ができます。特に最近はアマゾンフレックスやウーバーイーツなどギグワーク・マッチングアプリにて仕事ができる事もあり、注目されています。
飲食店などと違い、仕入れも在庫もない業種ですが唯一用意しないといけないものは、そう荷物を運ぶ車「貨物車」ですね。
軽貨物の開業資金=車の費用といっても過言ではないでしょう。
その車も軽バンや幌車など種類がありますし、購入するにしても新車で買うべきか、とりあえず開業するのであれば中古車でいいのか、開業するのにどんな車をどんな選び方をすればいいのでしょうか。そんな疑問の解決が今回のお話になります。
- 軽バンでの仕事歴10年
- 長距離からウーバーイーツまで幅広く稼働
- 軽貨物のみの売上は年間500万円以上
軽貨物の車とは
軽自動車は、構造や使用目的によって、乗用車・貨物自動車・特種用途自動車の3種類に分類されます。軽貨物の仕事をするには貨物自動車が必要になります。
- 税金の金額 軽貨物車と軽乗用車は税金の金額が違います。軽貨物車のほうが、荷物を運ぶという公共性があるため、税金が軽乗用車より安くなっています。
- 車検の期限 軽貨物車は初回から2年ごとに車検がきます。軽乗用車は初回のみ3年で、それ以降は全ての車で2年周期となります。
- 荷室の床面積 軽貨物車の場合は荷室の床面積が1㎡、軽乗用車は0.6㎡と定められています。
令和4年10月27日より軽乗用車(5ナンバー軽自動車)でも黒ナンバーの取得ができるようになりましたが、積載量が少ないためN-BOXやタントなどを黒ナンバー化しても、軽バンが350kg積載に対し100kg前後しか積載量がなく、通常の荷物を運ぶ軽貨物の仕事として使用されるのは無理があると思います。
軽バン?幌車?車の形態は
軽貨物で一番に思いつく車はよく見る"軽バン"、だと思いますが他にも主に、幌車・冷蔵冷凍車があります。
宅配やフードデリバリーなど細かく動く仕事をするなら軽バンが良いでしょう。
引越しなど一度に多くの荷物を運ぶなら幌車が強く、スポット案件では幌車指定ということもよくあります。
冷蔵・冷凍車はその名の通り食品配送などに向いています。
開業時から取引できる、仕事をくれる運送会社が決まっている人は最初から幌車・冷蔵冷凍車を選択するでしょう。これからギグワーク等登録して開業するひとは、軽バンをお勧めします。
ある程度時間が経ち仕事が軌道にのって、方向性がきまったら幌車等に変更していく方が多いと思います。
軽バン | 幌車 | 冷蔵冷凍車 | |
---|---|---|---|
参考新車価格(登録等費用別) | 105万円〜 | 130万円〜 | 200万円〜 |
- 【メリット】 軽バンより多くの積載量がある(Maxは軽バンと同じ350kg)
- 【メリット】 引越しなど、スポット仕事の取れる仕事の幅が広がる(軽バンでも引越しはぜんぜんできます)
- 【デメリット】 軽トラックベースなので車内が狭く、長時間はつらい
- 【デメリット】 宅配などもできるが、荷室が完全に別れているので、動きにロスがでやすくやりにくい
車の色について
今は仕事用の商用車でもカラフルな色が用意されている車種も珍しくありません。
ここで個性を打ち出すのも悪くないとは思いますが、仕事をする面ではどうでしょうか?
ギグワーク・マッチングアプリ仕事の場合
登録・稼働共に全く制限はありません、個人でラッピングをしてる車も見た事があります。
委託会社等に登録して仕事をする場合
宅配軽の仕事で車持ち込みでも登録する会社のラッピングをする場合があり、白など単色の指定がある場合があります。
スポット・緊急配送等の委託会社の場合、色指定は聞いた事がありませんが、黒、シルバー、白等地味な単色が指定される可能性はあると思います。
4WDは必要?
普通のグレードで車を選べば当然2WD車になりますが、4WDは必要でしょうか?
軽貨物で4WD車が真価を発揮するのは冬季の雪国への配送です。冬用タイヤは必須ですが走破性能が全然違います。
大雪で雪国への仕事など、行き手がみんな断ってしまってだれも行く人がいない..なんてケースもありました、こんな時にい活躍できますね。
また、温暖な地域でも坂が多い地区での稼働の際、特に雨が降って道路が濡れている状態など2WD車だと滑って進まなくなるケースがあります。
こんな時も4WD車なら難なく抜け出せますので、そのような稼働ケースがある場合は他者ライバルと差別ができる部分なので検討しても良いと思います。
ハイゼットカーゴ | 価格(税込) |
---|---|
2WD | 1,331,000 円 |
4WD | 1,485,000円 |
新車か中古か問題
私は開業には新車をおすすめします
これから開業される人の質問でよく出るのが、新車か中古車か問題です。これは回答者の経験によるところが大きいので、私の考えになることをご了承ください。
- 事業開始の意気込みとして、投資すべきだと思うから
- 大切にするから
- 車キレイ➡モチベーションが上がる➡自ずと仕事増える、サイクルになるから
- 故障等により、開業後早々に運行トラブルを起こし、信用がなくなるのが怖い
中古車だろうが、ちゃんと大切に乗る人もいるのはわかっています。全ての人に新車を購入する費用があるとも思いません。
ただ、開業資金の中でできる限りのお金は車の購入資金に捻出してあげることをお勧めします。
最短で稼働したいなら新古車を探す
新車購入のデメリットとしては、納期がかかることです。特に最近は半導体不足等の理由により納期が延びているそうです、数ヶ月待ちなど待ってられないですよね。
その場合"新古車"という選択肢があります。通常車の購入は商談して注文から発注して生産になりますが、新古車はディラーや量販店がすでに在庫として車を確保していているので納期がかなり短くなります。また在庫品なので価格交渉の面でも有利だと思います、実際自分も開業時の車は新古車で注文から1ヶ月以内に稼働ができました。
- 【メリット】納期が短い(納車1ヶ月以内も可能)
- 【メリット】在庫品のため、価格交渉がしやすい
- 【デメリット】在庫品のため、仕様変更、オプションなどができない
- 【デメリット】登録済み車のため、初回車検がはやめにくる
リース車のメリット
軽貨物で使用する軽バンは"リース車"を扱う会社も多くあります。
とにかく早く開業稼働したい、初期投資を少なくしたい方にお勧めします。
料金、契約内容は多岐にわたるため細かい解説はしませんが、ある程度の整備・車検費用もリース会社持ちな事がほとんどなので維持費の面でも安心です。一方で月の走行距離が契約で例えば3000kmと決められていて、それ以上走ると割高な追加費用を請求される契約も多くあります。
月単位での仕事のペースが決まっていて、リース料金と兼ね合いがとれれば良い選択肢だと思います。スポットメインなど月単位での走行距離が安定しない人には、結果割高になるかもしれません。
- 【メリット】少ない初期投資ですぐに開業稼働できる
- 【メリット】維持費が節約できる
- 【デメリット】走行距離が嵩むと割高になるケースもある
- 【デメリット】契約期間が決まっているので途中解約の場合違約金の請求がある場合も
- 【デメリット】返却時に整備代、傷の修理代金等として高額な請求があるケースもある
軽貨物リースならGMSイチオシ
仕事車にかかる維持費など
走るために必須なお金
主な維持費を項目別に確認して見ましょう。
車は仕事で稼ぐための道具、買っておしまいではなく維持費用が当然かかってくるので、その分の費用も用意が必要です。
オイル交換
エンジンの状態を最善に保っておくために定期的な交換が必要です。乗用車ではさほど気にしていない人も、仕事で稼働となると自分の場合でも月に5,000kmは走るので無視できません。
3,000km〜5,000kmでの交換、2回に1回はオイルのフィルター(エレメント)も交換します。高級なオイルを入れる事より定期的な交換が肝心です。
費用 | |
---|---|
走行5,000キロ毎オイル交換 | 5,000円 |
車検
道路を走るために法定されている制度で軽貨物車の場合は2年に1回車検を受けなければいけません、車検切れとなった時点で道路走行は法律違反です。車検は切れる1ヶ月まえから受けれます、検査時に問題があれば修理等対応が必要となり日数がかかる場合もある事、検査で走れない日だけ"仕事ができない"、ということなので早めに受けることをお勧めします。
どこに車検にだすか、ですが販売ディラーはもちろん、町の車工場、オートバックス等量販店、コバック等車検専門店があります。一番費用が高いのはディーラー、後は見積もり次第です、自分の場合は量販店車検で毎回約5万円かかっています。(自賠責保険込み)
1回目の車検など新しいうちは問題が起きづらいので、量販店・専門店で整備なしで車検だけ通すと安くでき時間も半日ほどです。
逆に年数が経過した車は問題点も発生し、量販店等では逆に時間がかかるケースがあるので、修理点が多そうな場合は最初から問題解決ができるディーラーや信頼できる車屋の方が、結果早く車検通過できると思います。
ディーラー | 車工場 | 量販店 | 車検専門店 | |
---|---|---|---|---|
車検費用 | 高め | 場合により | 安め | 安め |
車検時間 | 長め | 場合により | 短い | 短い |
問題発生時の対応 | 早い | 早い | 時間がかかる | 時間がかかる |
できる事は自分でやる方法も
車を整備する場所がある場合、自分でできることはDIYでやれば安くできます。ただ仕事のスケジュールが目一杯の人や場所がない場合は、お店等に任せるので構わないと思います。
季節のタイヤ交換 新規購入2万円〜4万円
関東など雪の降らない地域でも冬季はスタッドレスを履くことをお勧めします。降雪がなくても路面温度の下がった状態での走行性能安全性が夏タイヤと違うからです。
スタッドレスタイヤの購入自体は、2万円〜4万円程度、ホイールごと必要となるともう1万円〜2万円程度プラスになります。
量販店・タイヤ専門店よりガソリンスタンドや通販の方が比較的安く入手できる事がおおいです。今は持ち込みでも作業してくれるタイヤ屋さんもあるので、探してみてください。
一度購入してしまえば、季節毎に交換するだけですが、量販店にてフロアジャッキ等1万円程度で揃えれば自分で交換することもできます。
参考価格 | |
---|---|
既存のホイールでスタッドレスタイヤに交換 | 2万円〜4万円 |
ホイールごと新規に用意する場合 | 3万円〜6万円 |
フロントガラス交換 5万円〜
普段走っていて急に「バチッ」という音がすることがあります。主にトラックなどが飛ばした飛び石がフロントガラスに当たる音ですね。
軽バン等の車はフロントガラスの角度が立っているので、飛び石が当たった場合に力を受けやすく割れないまでもヒビが入ることがあります。
小さな凹みなら問題ないですが、ヒビまで入ると放置してると広がるし車検も通りません。
ガラス交換となる場合、ディーラー等でもできますが、自動車のガラス専門店がけっこうあります。即日〜翌日に出張してくれる所もあり、純正ではない場合5万円程度からとなります。フロントガラスは純正でなくても経験上なんの不都合もありません。
小さな凹み傷の場合なら、自分で補修してなんとかなる場合もあります。補修キットがアマゾンで千円くらいから購入できます。自分はこの補修で車検にとおりました。
参考費用 | ||
---|---|---|
フロントガラス交換 | 5万円〜(非純正品) | |
フロントガラス修理 | 1万円〜 | DIYで1,000円(車検通る保証なし) |
バッテリー交換 1万円〜
車のバッテリーというと数年に1度の交換というイメージですが、毎日乗って稼働していると1年ちょっとで交換を迎えることになると思います。
今の車はアイドリングストップ機構もついているので、より劣化が早いのかもしれません。
これもディーラー・量販店なら1万円〜、アマゾン等通販で購入すれば6千円程度から購入できます。
作業としてはケーブルをつける順番さえ間違えなければ、かなり簡単で工具もさほどいらないので費用節約に自分で交換してみてはいかがでしょうか?
まとめ
やりたい仕事がみえてくれば、必要な車もわかってくるね!
以上、軽貨物を開業する時に必要となる車について、車の種類、選定基準、維持費用まで見てみました。特に新車か中古車かについてはSNS等でもよく出る話題なので、私の意見になりますがリースも含め考えていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。これから開業検討されてるかた、各項目に関しては深く解説した記事のリンクもありますので、ぜひおよみください。