元祖軽バンEVの改良型登場
商用車、軽バンの電気自動車(EV)の元祖といえる車が、三菱自動車の「ミニキャブMiEV(ミーブ)」です。
ホンダやダイハツ・スズキなどが、軽バンEVの開発発表をしていますが、ミニキャブMiEVは2011年に発売されました。すでに1万3千台の販売実績があります。コンセントのマークが書かれた軽バンを見たことがあるのではないでしょうか。
10年以上販売されているモデルなので流石に、追従する他社の軽バンEVに比べ1充電での走行可能な距離などで見劣りするようになってきました。
そこで2023年11月に発表、12月21日発売されるのが、新型「ミニキャブEV」です。どのくらい進化したのか、仕事につかえるのか、今回は解説と検証をしてみます。
- 2019年より軽貨物の仕事にてN-VANを使用
- 4年で走行距離は15万キロ突破
- 軽バン歴は10年、サンバー・エブリィ2台乗継いでN-VANへ
ベースボディは「ミニキャブバン」
ベースとなる車体は、従来モデルと同じ「ミニキャブバン」という軽バンです。発売後かなり時間の経ったモデルで正直内装のデザインに古さは感じますが、質実剛健というかなかなかしっかりとした車です。
ミニキャブEVではオプションですが、「USBポート」や「AC100Vコンセント」をつけることもできます。USBポートは車に装備されてるとかなり便利ですよ。
ホンダのN-VAN e:は荷物室の長さが1480mm、ミニキャブEVは1830mmなので、建材など載せるのはこちらのほうが有利ですね。
航続距離が伸びた
従来モデルに比べ、駆動用バッテリーの容量が25%増加したほかにモーター効率が高くなり、1回の充電で走れる距離が伸びました。ホンダの軽バンEV「N-VAN e:」が、約200km前後のようです。
三菱自動車調べで、軽バンユーザーの77%が1日の走行距離が65km以下である。と公表しているので、居住地付近での配達の仕事であれば1日持ちそうですね。
新型ミニキャブEV | 従来モデルミニキャブMiEV | |
---|---|---|
一充電走行距離(WLTCモード) | 180km | 133km |
充電時間は
充電時間に関しては従来モデルからあまり変化はありません。ただ新型は電池の容量が増加していることを考えると充電性能は良くなっているといえるでしょう。
普通充電 | 7時間で満充電 |
高速充電(オプション) | 42分で80%まで充電 |
この充電時間なら、夜間に普通充電で朝には満タンになりますね。
急速充電なら、お昼など休憩時間に十分チャージできます。
どれだけ荷物がのせれるか
充電池など重い部品を搭載するので、4シーター(4人乗り)車では最大積載量が200kgに制限されます。ガソリン車の軽バンが350kgなので、ちょっと積めないですよね。
2シーターなら350kgの積載が可能です、重量を軽くするためか荷室の窓も埋められてますね。この車を4人乗りの常用に使う人はあまりいないと思うので、これで十分ですよね。
2シーター | 4シーター | |
---|---|---|
最大積載量 | 350kg | 200kg |
2シーターのみ最大積載量350kgというのは、ホンダのN-VAN e:も同じですね。
今後電池がコンパクトで軽くなることを待ちましょう。
三菱e-Assist(運転支援機能)対応になりました
国が推奨する「サポカーS ワイド」全車対象車になりました。
坂道発進で後ろに下がるのを防ぐアシスト機能もついています。
気になる価格は
価格は従来モデルよりほぼ据え置きです、うれしいですね。ここから補助金が10万円以上はでるので実質はもっと安くなります。
2シーター | 2,431,000円 |
4シーター | 2,486,000円 |
ガソリン車の軽バンが150万円もあれば買えることを考えると高いですが、維持費(燃料費)がかなり違います。
ミニキャブEVのデータではありませんが、ガソリン車と比べEVの方が1万キロ走行あたり6万4千円も燃料費が安くなる試算があります。
燃料費 | ||
---|---|---|
EV(電気自動車)1万キロ走行 | 1538kWh×25円/kWH | 38,450円 |
ガソリン車1万キロ走行 | 666L×155円/L | 103,230円 |
また現時点で自動車重量税」は新車登録時と初回車検時が免税(0円)、「自動車税」は新車登録年度の翌年度分が75%軽減されます。
軽貨物の仕事でつかえるか
2シーターモデルなら350kgの積載量なので、軽貨物で受けれる仕事なら問題ないですね。1充電の走行距離が180kmあれば、居住地(車庫)近くをメインにする宅配の仕事もできます。
ネットスーパーなどなら問題ないですが、宅配でも広域配達の仕事は1日走るのは厳しそうです。休憩時間等に車庫で急速充電ができれば、その部分もカバーできますね。
中〜長距離走るスポットの仕事に使うのには、まだ無理がありそうです。
まとめ
ミニキャブEVのまとめ
- ベースのミニキャブバン譲りの積載力がいい
- 基本性能アップで値段はほぼ据え置き
- 値段は高いが維持費が安い
元祖軽バンEV、各社新モデル発表で弱点となった走行距離を手堅く伸ばして、遜色ないスペックになりました。ベース車の「ミニキャブバン」が正直古いモデルですが、積載性などむしろ恩恵がある点も多いです。
2024年以降、各社軽バンのEV化が加速しますが、ベストなEV選びの参考になればうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。他にも軽バンの情報などお役に立つ記事が多数あります、ぜひごらんください。