黒ナンバーとは?取り方まで解説します
軽貨物を開業したいけど、黒ナンバーが必要なんだよね?
参入しやすい、即収入を得やすい自営業・個人事業主として軽貨物を検討、開業される方は多いでしょう。
開業に必要なものは「荷物を運ぶ軽自動車」ですが、荷物を運び運賃を得る車は「黒ナンバー登録」された車でなければいけません。
規制緩和により乗用車も黒ナンバーを取得できるようになりました、最新の黒ナンバーの状況と取得条件、必要書類と方法を解説します。
- 軽バンでの仕事歴10年
- 長距離からウーバーイーツまで幅広く稼働
- 軽貨物のみの売上は年間500万円以上
黒ナンバーとは
「貨物軽自動車運送事業」に使用する軽自動車に取りつけるナンバープレートのことです。軽自動車を使って、荷物を届けてお金をもらう事業に使う車には「黒ナンバー」がついていないといけません。
軽商用車と軽乗用車の違い
令和4年10月より「軽乗用車」でも黒ナンバーの取得が可能になりました。
これから参入される方で、すでに軽乗用車をもっているから黒ナンバー登録して開業しようという方もいるでしょう。
- 軽商用車は荷室が広い、1㎡以上ある
- 軽商用車は最大積載量が350kgまで載せられる
- 軽商用車は余計な装備がない分車両価格が安い
以上の違いがあるため軽乗用車では積載できる荷物に制限があり、できる仕事に制限があります。
今回の規制緩和は物流業における人手不足解消に、副業での参入をしやすくするための政策のようです。
本業として軽貨物運送事業に参入するには軽商用車(軽バン等)を用意されることをお勧めします。
ダイハツの場合、タントは「乗用車」
ハイゼットカーゴは「商用車」です
税金がやすい!黒ナンバーのメリット
登録区分 | 重量税 | 自動車税 | 初回車検時期 |
黄色ナンバー | 6,600円 | 10,800円 | 3年 |
黒ナンバー | 5,200円 | 5,000円 | 2年 |
黒ナンバーのメリットは税金の安さがります、自動車税に関しては倍近く違いますね。これは「貨物自動車」は荷物を運ぶという公共性の高さが認められるためです。
但し働く車なので車検は初回から2年サイクルとなります。
任意保険が高い!黒ナンバーのデメリット
黒ナンバーのデメリットは任意保険の金額の高さです。保険料はリスクの高さで金額が決まるので、走行頻度の高い仕事用の車はハイリスクなためこのような金額設定になっています。
また年齢割引や特約がほとんどない事と、通販型では購入できないことも一因でしょう。
登録区分 | 13等級の年間保険金額 |
黄色ナンバー | 6万円 |
黒ナンバー | 17万円 |
黒ナンバー取得方法と必要書類
車が用意できたら黒ナンバーの取得です。と、いってもみんな車が来るまでに時間がかかるんですよね、ここからの手続きは車検証さえ手に入れば進めます、新車なら完成検査証など車台番号がわかる書類のコピーでもOKです。
1.陸運支局へ届出
いきなりナンバーはもらえません。まずは陸運支局へ"貨物運送事業"を行う旨の届出をします、この時一緒にこの車で仕事やるからよろしくねという"事業用自動車等連絡書"をもらいこれを持ってナンバーを取得しに行きます。
必要書類 | 入手方法 | 必要部数 |
貨物軽自動車運送事業経営届出書 | DL可能 | 2部 |
事業用自動車等連絡書 | DL可能 | 2部 |
運賃料金設定届出書 | DL可能 | 3部 |
運賃料金表 | ネットに雛形あり | 2部 |
車検証(車台番号が確認できる書面) | コピーでOK |
陸運での手続きには印紙や手数料納付などは一切ありません無料です。
現地でも記入できるようですが混んでる事が多いので、先に書類をダウンロードして記入しておきましょう。控えで各2部必要なので気をつけて
関東陸運局 神奈川運輸支局
2.軽自動車検査協会
晴れて運送業の許可をもらったのでナンバーをもらいに行きましょう。前述の"連絡書""車検証(完成検査証)"を提出し黄色ナンバーを返納して黒ナンバー取得です!
自分で取り付けるのでドライバー持ってきましょうね、ビスはくれますよ、ナンバーの交付代がかかります1,500円ほどです。
陸運でもらう"貨物軽自動車運送届出書"ですが、後々仕事の登録等に使う機会があるのでコピー取っておきましょう。
「陸運支局」とナンバーをくれる「軽自動車検査協会」は同じ所にあると勘違いしてました。
神奈川なら"横浜"ナンバーの人は確かに同じ敷地内にあるのですが、自分は"相模"ナンバーなので愛川町へ行ってしまい陸運支局があるのは、神奈川で1箇所のみ横浜です。
そこから泣きながら片道40km往復しました、自分だけでしょうがよく調べて行動しましょう....
黒ナンバー取得の費用は
全ての手続きを自分で行った場合かかる費用は、ナンバーの交付代金1,500円ほどのみです。あとは交通費と書類の印刷代くらいになります。
黒ナンバー取得に必要な条件
軽貨物車(乗用車)を1台以上確保していること
事業に使う軽バンなどの軽貨物車(乗用車)が必要です、バイク(125cc以上)でも可能です。
営業所、休憩・睡眠施設があること
車庫から半径2km以内に営業所と休憩・睡眠施設を設置とあります。軽貨物の個人事業主であれば自宅でかまいません自己所有、賃貸でもOKです。
車庫を確保していること
上記の施設から半径2km以内に車庫を設置します。使用車両をすべて駐車できること、建築基準法などの関係する法律に則っていることが条件です。
普通に車を所有していればクリアできる内容です。
運送約款があること
運送事業を行ううえでの責任事項などをまとめたものです。
運賃料金設定届出書に、国土交通省の「標準貨物自動車利用運送約款」を使用することを明記した場合は不要です。
損害賠償能力を有すること
自賠責保険はもちろんですが、任意保険など、損害保険の契約をして、十分な損害賠償能力を有する必要があります。
先日の黒ナンバー規制緩和に際しこの部分は厳しくチェックされるようです。
まとめ
- 軽貨物を本業にするなら「軽商用車(軽バン)」
- 届出制なので自分でやれば費用はほぼかからない
- 届出は「陸運支局」→「軽自動車検査協会」の順番で!
黒ナンバー取得後はマッチングサービスへの登録も
晴れて黒ナンバー取得で書類も揃うので、各種マッチングサービス(軽貨物ギグワーク)への登録ができます。
開業後の仕事は人それぞれでしょうが、アマゾンフレックスやピックゴーなどは登録するだけで費用も維持費もかからないですし、いざ始めようとうすると審査等時間もかかるので、このタイミングでの登録をお勧めします。
宅配ならアマゾンフレックス
スポットやチャーター案件ならピックゴー
これで開業できるね!
記事にまとめ文章にすると難しく見える部分もありますが、基本書類の伝書ゲームです持ってくとこさえ間違えなければ簡単に黒ナンバー取得できます。
運送許可だけでも行政書士さんに代行頼むと数万ですし、新車で黒ナンバーもディラーではお金取るようなので、開業最初の手続き自分でやっみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
経験を元に項目別に深く掘り下げた記事も、これからの軽貨物事業のお役にたつと思いますぜひお読みください!